必要なのはライトスタッフの様なモノ

30代のおじさんが時事や映画、サッカーなどを気ままに書き連ねていきます。

その男、尊大につき。トルシエ、ハリルホジッチの尊大な男の系譜

16年前の冬の思い出

2001年3月、当時、イギリスの片田舎で暇を持て余していた私は、街の中心地に繰り出し、適当にブラブラと散策していた。 すると、サッカーのフランス代表ユニフォームを身にまとった黒人少年グループにすれ違いざまに、「Five No」と叫ばれ、 片手の掌を大きく私に突き出された。その行動の意味を理解できなかった私は、歩きながら「Five Noと言う、新しい スラングが流行っているのだろうか」と疑問に思ったことを覚えている。その出来事の数十分後、インターネットカフェで 「Five No」の意味を知った。彼らが私に叫んだ、「Five No」とはパリで行われたサッカーの親善試合でフランス代表が日本代表を 「5-0」というスコアで下したことを意味していた。

トルシエがW杯グループリーグを突破できた要因

当時の日本代表の指揮官はフランス人のフィリップ・トルシエ。彼の高圧的、且つ日本人選手を見下す「上から目線的」指導は国内で 賛否を巻き起こしていた。トルシエはパリでの5-0の敗戦の後、メディア等からフラット3と呼ばれる守備の脆弱さを批判され、 その批判の答えとして、1月後のスペイン戦で5バックを敷きながら超守備的に戦い、0-1で敗戦した。 このあからさまなトルシエの対応に多くの批判が浴びせられたが、私はこの試合にこそ、トルシエがW杯でグループリーグを突破できた 理由が存在していると思っている。その理由とはトルシエが現実を受け止められる「リアリスト的判断」が下せる人物であったということだ。 トルシエがW杯でグループリーグを突破できた要因は初戦のベルギー戦における2失点にある。 この2失点でトルシエは硬直的な高いDFライン設定を諦め、次戦から選手の判断に任せ、自由にDFラインの設定を任せることにし、結果を出した。 トルシエは現実を受け入れ、こだわりを持っていたフラット3を捨てた。このリアリスト的判断があったからこそ、勝利を手繰り寄せる ことができたのであろう。

尊大な男が見せリアリスティックな判断こそ勝利を手繰り寄せる

ハリルホジッチトルシエに似ているという声をよく耳にする。恐らく彼はトルシエと同じく協会スタッフや選手などから煙たがられていることは容易に想像がつく。事実、はたから見ても、記者会見等から彼が尊大な男であることはよくわかる。しかし、初戦のUAE戦の敗戦、イラク戦の凡戦などを経て、彼は現実を直視し、現実を受け入れた。アウェーのオーストラリア戦は引き分けとは言え、見事だったし、昨日のオーストラリア戦も見事だった。 尊大な男が「リアリスト的判断」を下す時には結果が付いてくる可能性が極めて高い。ロシアW杯は期待が持てる。